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tnaru@asean

ベトナムを中心とするアセアン(ASEAN)諸国に関する情報ページ。あと、時々書評とか。

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Category: 旧Version  Tags: ベトナム  在アジア・オセアニア日系企業活動実態調査  ベトナム進出  販売営業  経営上の課題  競合国  
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ベトナム進出日系企業の様子:「在アジア・オセアニア日系企業活動実態調査」より⑦

ベトナム進出日系企業の様子を「在アジア・オセアニア日系企業活動実態調査」を元に眺める、第6段「経営上の問題点」です。本当は1回で全てをまとめようと思いましたが、文章が長くなりすぎたので全7回にわけることにしました。

今回は「経営上の問題点」のうち、「販売営業面での問題点」です。

ということで、以下のように当該シリーズの目次が変更になってます。

【シリーズ目次】
1.調査の概要と結果
2.営業利益見通し
3.今後の事業展開
4.現地市場開拓への取り組み
5.経営上の問題点
・5-1:ベトナムの課題(全体)
・5―2:販売営業面での問題点
・5-3:財務・金融・為替面での問題点
・5-4:雇用・労働面での問題
・5-5:貿易制度面での問題点
・5-6:生産面での問題点
・5-7:経営の現地化をするにあたっての問題点
6.原材料・部品の調達
7.輸出入の状況
8.賃金

ベトナムで販売営業を実施するにあたり、指摘される課題は以下の通りです。

【販売・営業面での問題点】

1位:競合相手の台頭(コスト面での競合)(50.4%)
2位:主要取引先からの値下げ要請(38.9%)
3位:新規顧客の開拓が進まない(34.5%)

上記の競合相手の台頭では、同調査の「現地市場への取り組み」から、以下の4カ国の企業がベトナムで台頭していると推測できます。
(台頭していると推測される国)
1位:ベトナム企業
2位:中国企業
3位:韓国企業
3位:台湾企業
(同調査:「現地市場の取り組み(9)」)

1.地場企業が最大のライバルのようです。
各国において、当該国の地場企業が競合相手となる傾向と同じ傾向が見えてきます。また、最近台頭しつつある中国のプレゼンスと台湾・韓国が積極的な投資を推し進めています。

ベトナム企業の競争力がついてきたことは、1つ注目に値する部分かと思います。一方、「安かろう、悪かろう」が標準的であるベトナムにおいて、全ての業種でベトナム企業が台頭しているとは思えません。今回の調査結果では在ベトナム日系企業の回答先業種がわからないので、どの業種で脅威となっているか掴めない点がはがゆい部分です。あくまでも将来的な脅威としてベトナム企業は位置付けられるのかと思われます。

2.中国、台湾、韓国系企業がもっと強力なライバルのように思えます。
一方、中国企業や台湾・韓国企業はまさに今の本命のライバルかと思われます。中国、台湾、韓国企業は、いずれも日本企業以上にベトナムへ積極的な投資姿勢を見せる大手企業がひしめいています。韓国のSamsungや台湾のエイサーなど、投資金額が日系大手以上でベトナムに乗り込んできています。

また、同企業への韓国系や台湾系サプライヤーも同時に進出してきております。まだ、商習慣など価格面以外での評価もあり日系企業同士の取引は活発ですが、台湾・韓国サプライメーカー各社からから積極的な日系企業への売込が開始されることが予想されます。

今後、中国、韓国・台湾系のサプライヤー企業と日系サプライヤー企業の競合が始まってくることが予想されます。

その前に、2009年にソニーが撤退したように、最終消費財メーカーがアジアの最適地化政策を進めるために、「撤退」という可能性も否定できませんが…。

2010年現在、主だった最終消費財メーカーの撤退の噂はまだ聞こえていません。

3.値下げ要求と新規顧客開拓は両輪の問題かと思います。
2位と3位にそれぞれ、「主要取引先からの値下げ要請」と「新規顧客の開拓がすすまない」の2点がランクインしています。

ベトナムではインフレが毎年10%近い上昇率を示している中、日系企業間取引では値下げ要請があるという、ふと考えると摩訶不思議な現象が起こっているようです。購入する側からすると、毎年買い取り価格が下がることは当然の商習慣であり、より効率的な製造方法から至極当たり前の要求としてなされているのでしょう。

一方、サプライヤーメーカーからすると、毎年人件費があがり、材料費があがり、光熱費があがりといった環境下でコスト削減を図ることになります。「たまったものではない」といったサプライヤー側企業の本音がこの調査結果に表れているのかもしれません。

この状況で事業を展開していくには、より効率的なモノづくりが求められているのかもしれません。「その創意工夫こそ、日本のお家芸」と私のような製造業に属さない外野がいったところで、半ば精神論に近いようにも思えます。

ここで、本来取り得るもう一つの選択肢が新規顧客を開拓し、売上・利益増を図るといった方策かと思います。コスト削減も実施するが、売上・利益増の方策も実施する両面での展開です。

これだけ経済成長を続けている国なのだから、ベトナム国内市場でも売上・利益を上げられるのではないかという考え方がその背景にあるようです。実際、最近ベトナムへ進出する企業の進出理由の変化にその傾向がはっきり表れています。

JBICによる「わが国製造業企業の海外事業展開の動向」で「安い人件費」が2008年まで1位を占めていましたが、2009年より「ベトナム国内市場を狙って」が1番となっています。

しかし現実ではベトナム国内マーケットが狙えない。その現象が同調査の3位として指摘された「新規顧客の開拓がすすまない」となって表れているのかもしれません。

この理由は対日系企業をターゲットとした新規顧客開拓が進まない場合と、対地場や対ベトナム進出他国外資系企業とで異なった理由があると思います。

ー対日系の場合:
対日系企業との取引において、新規顧客開拓が進まない理由は「事業ライセンス」の問題が大きくあるように思います。

同一製品や同一サービスを提供するだけであれば、単純に営業力不足という面も出てきますが、類似製品・サービスや新製品・サービスとなると「ライセンスで許可されているか」を確認する必要が出てきます。

ベトナム進出にあたり、各日系企業はベトナムで実施する事業について「ライセンスを授与される」形式で展開しています。新規顧客から要望された製品やサービスを実施するにあたり、既存の取得ライセンス上では許可されていないことが度々おこります。「話はあれど、実施できず」といったケースはよく耳にします。モグリという手法もありますが、大々的な展開ができないため本格的なビジネス関係を構築するまでには至りません。

また、マネジメント能力不足の部分があることも否定できません。既存顧客との取引で少しずつ仕事の仕組みが出来上がってきた時に、新規顧客の要望で新たな仕組みを社内に構築する必要が出てきます。

この時、協力してくれるベトナム人がどれだけ社内にいるかです。ここは日本とも同じかもしれませんが、既存システムに安住したがる人間が多いのも事実です。さらに、残業もしなければ休日出勤もしない環境下で新システムの導入を図ることになるわけで、その話をまとめてきた日本人だけが孤立してしまうケースがよくおこります。

-対非日系企業の場合:

この理由は格好よく言えば、「対日系と比較し、対地場企業や対ベトナム進出外資との取引には『高い取引費用』が発生する」ということに尽きると思います。

対ベトナム系企業についてはベトナム系企業がまだ成熟していないためです。まだ、日系企業側が物品・サービスを購入する立場であれば付き合いやすいですが、ベトナム企業側が購入となり、日系企業が納入する立場となると大変に面倒です。

ベトナムは「叩いて当たり前」の商習慣であるため、よくて最初の値段の7割、通常半額が最終的な落とし所となります。これは最初から価格設定を2倍にして相手に吹っかければいいのかもしれませんが、それだけでも面倒なことです。

また、「袖の下」という面倒な商習慣があり、一番厄介です。これは外国人である日本人が介在できない部分であり、ベトナム企業担当者と日系企業ベトナム人担当者との間で実施されます。必然、日本人は当事者間で何が行われいてるか把握することが実質不可能となります。最悪、ベトナム企業担当者と日系企業ベトナム人が両者で「袖の下」を折半といったことも発生することがあります。

一方、外国系のベトナム進出企業という顧客はどうでしょうか?こちらも、参入には各種の障壁があります。

一つ目は日系企業同様、各国進出企業も各国進出企業同士のコミュニティーで商取引を実施しています。従い、各国進出企業と話をつけることは、日系企業と話をつけることと比較して、営業活動に倍のエネルギーが必要となってきます。

また、アジア系と欧米系外資でそれぞれ異なった難関が待っています。

アジア系外資は「価格」です。叩いてきます。もの凄く。各国アジア系コミュニティーで展開されている価格水準が既に低いことも多く、この価格水準と同じもしくはそれ以上に下げることが要求されます。これでは新規顧客として付き合う意味があまりありません。

欧米系外資は「契約書」と「過度の競争」です。

2社か3社で競合すれば十分なところを、10社以上に競争させて叩いてきます。過去の商取引実績よりも今現在の力を試される部分は新参者にとってはいい環境です。一方、毎回ホームランを要求されることになります。必然参加する側は機械的に競争へ参加し、勝てればラッキーという感覚に陥りやすくなります。

また、契約締結において、多大な時間とエネルギーが必要となります。欧米系企業の中には英文法だけをチェックして投げ返すところもあります。ここまでくると、法務担当者はやり取りの回数で評価されているのかと半ば疑いたくなります。既に英文ネイティブチェックを実施した契約書なのに、面倒な話です。

ということで、格好のいい言い方をすれば、対日系と比較して対ベトナム進出外資との取引は「取引費用」がべらぼうに高くつくということになります。従い、社内基盤に余裕がない企業では、まず日系企業との取引を円滑にすすめるといった方針を取る会社が多くなります。

3.まとめ

ベトナムに進出する企業は既存顧客に悩まされ、新規顧客に悩まされといった状況下で事業を展開しています。

これはベトナムに限らず、どこの国でも同じかと思います。一方、ベトナム特有の要因として、「①高いインフレ率」と「②経済成長が華々しく語られている」といった2つが挙げられるかと思います。

だから、儲かると思ってきたら意外と儲かってないという現実にまず直面するのかもしれません。

でも、日本の戦後から行動成長期に海外へ進出した日系企業は「日本ってどこ?」といった環境下で事業を展開してきたのも事実です。

当時の日本人に負けてられません!
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テーマ : ベトナム    ジャンル : 海外情報


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プロフィール

tnaru

Author:tnaru
30代 男
ベトナム在住。ベンチャー企業で働いてます。
将来はベトナムを中心としたASEAN諸国で何かしたいと思っています。

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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