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tnaru@asean

ベトナムを中心とするアセアン(ASEAN)諸国に関する情報ページ。あと、時々書評とか。

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Category: 旧Version  Tags: ベトナム  ベトナム進出日系企業  在アジアオセアニア日系活動実態調査  雇用  
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ベトナム進出日系企業の様子:「在アジア・オセアニア日系企業活動実態調査」より⑨

ベトナム進出日系企業の様子を「在アジア・オセアニア日系企業活動実態調査」を元に眺める、第5段「経営上の問題点」です。本当は1回で全てをまとめようと思いましたが、文章が長くなりすぎたので全7回にわけることにしました。

今回は「経営上の問題点」のうち、「雇用・労働面での問題」です。

ということで、以下のように当該シリーズの目次が変更になりました。

【シリーズ目次】
1.調査の概要と結果
2.営業利益見通し
3.今後の事業展開
4.現地市場開拓への取り組み
5.経営上の問題点
・5-1:ベトナムの課題(全体)
・5―2:販売営業面での問題点
・5-3:財務・金融・為替面での問題点
・5-4:雇用・労働面での問題
・5-5:貿易制度面での問題点
・5-6:生産面での問題点
・5-7:経営の現地化をするにあたっての問題点
6.原材料・部品の調達
7.輸出入の状況
8.賃金

1.雇用・労働面での問題(全体):
雇用・労働面での問題は以下の課題が指摘されています。また、それぞれの課題に対する回答率が他の項目(例えば販売や金融など)の課題と比較して高いこと、他国と比較した際の回答率が高いことが、この課題の特徴となります。

【雇用・労働面での課題】

1位:従業員の賃金上昇(80.6%)
2位:従業員の質(52.8%)
3位:従業員の定着率(45.1%)


2.従業員の賃金上昇について:
上記を見ると、「従業員の賃金上昇」という課題を80.6%と多くの企業が課題としてあげています。「従業員の賃金上昇」を他国でも課題としていますが、「80.6%」という高い回答率を有しているのはベトナムと中国だけとなります(中国は79.6%の回答率)。他国でははこの回答率が50%台まで下がります。

現在、ベトナム国内では所得倍増計画が進められています。進出日系企業からすれば、この計画自体は現地市場のパイがより大きくなるため歓迎する部分でもあります。しかし、その成長速度が想定以上に早すぎることが課題として指摘されている部分だと思います。

実際、ある日系製造業はベトナムへ進出するにあたり、年率7%の賃金上昇率を予想し、約10年後に人件費が2倍となる投資計画を立てていたようです。しかし、進出後に判明した事実は5年間で約3倍近くまで人件費が高騰していました。

所得倍増は喜ばしいが「ちょっと待て!」というのが企業の本音のように思います。

3.従業員の人材の質について:
上記の高い人件費に見合っただけの人材がそろわないという不満が2位の「人材の質」という回答に繋がっていると思われます。逆に言うと、この数年間で賃金上昇率分の人材の質的向上があったのかという、採用側から雇用者側への問いかけであり、不満となっています。

4.従業員の定着率について:
また、他国には見られず、ベトナムのみで指摘されている課題が3位の「従業員の定着率」です。確かにベトナムでは1年未満の離職は後を絶ちません。2年から3年の勤続年数があると非常に真面目かつ貴重な存在として扱われます。

日本のような終身雇用前提の企業文化からすると、1年未満での転職は信じがたいことであり、理解不能の領域です。アルバイト気分か?と疑いたくなる部分でもあります。

これは、「転職=昇給や昇進」としてベトナム人の考え方に根付き始めていることに起因すると思われます。また、ベトナム人にとって1年後はミステリーというベトナム特有の考え方も根底にあるようです。

つい最近まで戦争があり、今の20代や30代の親が従軍していました。その結果、一瞬にして財産を失う怖さを親の世代は知っています。必然的に5年先や10年先を考えることはリスクの高い発想であり、今年1年でいくら手元に財産を残すかということに関心が向かってしまうのかと思います。

また、社会主義国であったため、民間の会社組織がつい最近までなかったことも、この定着率の低さにつながっていると思われます。親は会社とかサラリーマンとか何が何だか分からない状態です。でも、ベトナムでは伝統的に親へアドバイスを求める社会的習慣があります。必然、親はイメージから来るアドバイスを子供たちにすることになります。どこまで適切なものなのか非常に疑わしいです。

さらに追い打ちをかけるのが、周囲の友人たちのアドバイスです。経済が高成長を続ける中、より利益の高い話へ乗っかることはむしろ当然の行為としてアドバイスし合っているようです。実際に転職で昇給を勝ち取っている人間は周囲に当たり前にいるため、「転職=昇給・昇進」は迷信ではなく、現実の成功体験として多くのベトナム人の間で認識されています。

5.まとめ:
賃金上昇、従業員の質、定着率と、他国と比較しても高い回答率で、ベトナムの課題は指摘されています。

この部分を見ていると、正直将来のベトナムは順調に成長を続けるのかなと、正直心配になる部分です。

どこの国でも経済が成長する時はベトナム人と同じような行動パタンを取るのだろうか?日本の高度成長期はどんなだったのだろう?色々と調べてみたくなる問題です。
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テーマ : ベトナム    ジャンル : 海外情報


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プロフィール

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Author:tnaru
30代 男
ベトナム在住。ベンチャー企業で働いてます。
将来はベトナムを中心としたASEAN諸国で何かしたいと思っています。

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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