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tnaru@asean

ベトナムを中心とするアセアン(ASEAN)諸国に関する情報ページ。あと、時々書評とか。

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Category: 旧Version  Tags: ベトナム  ベトナム進出日系企業  今後の事業展開  在アジア・オセアニア日系企業活動実態調査  ベトナム日系進出企業の課題  経営上の問題  賃金上昇  調達  競合相手  原材料調達  
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原材料・部品の調達:「在アジア・オセアニア日系企業活動実態調査」より

ベトナム進出日系企業の様子を「在アジア・オセアニア日系企業活動実態調査」を元に眺めてみようと思います。今回は第6章の「原材料・部品の調達」です。

【シリーズ目次】
1.調査の概要と結果
2.営業利益見通し
3.今後の事業展開
4.現地市場開拓への取り組み
5.経営上の問題点
・5-1:ベトナムの課題(全体)
・5―2:販売営業面での問題点
・5-3:財務・金融・為替面での問題点
・5-4:雇用・労働面での問題
・5-5:貿易制度面での問題点
・5-6:生産面での問題点
・5-7:経営の現地化をするにあたっての問題点
6.原材料・部品の調達
7.輸出入の状況
8.賃金

1.ベトナムは現地調達率が22.4%と低調/ASEAN域内は他国と同程度
同調査のベトナム国内原材料・部品調達先の内訳をみると、他国と異なる特徴がいくつか見られます。

まずは、現地での調達率が22.4%と他国と比較しても、低い点です。他国の現地材料・部品の調達実態も、当該国進出日系企業から調達している場合が多いかと思いますが、ベトナムはその中でも特に現地調達率は低調な部類にはります。

ベトナムでは地場企業の拡充が進んでいないことがその主要因かとは思います。一方、現地調達率が高い国を見ると、進出日系企業数が多い国に現地調達率が高い傾向が見られます。従い、ベトナムに進出する日系企業数の絶対的不足もベトナムでの現地調達率が低い遠因にあるように思えます。

中国(58.3%)、タイ(56.1%)や韓国(55.0%)では50%を超えており、他の多くの国でも40%台の現地調達率です。ベトナムと同じ現地調達率20%台はフィリピン(27.2%)のみです。

次の特徴は中国からの原材料・部品の調達率が10%となる点です。他国では中国からの調達は3%から5%台です。これはベトナムが中国と国境を接するという地理的特徴と、最近の日本のODAによるベトナムの首都ハノイと中国との国境の街ドンダン間が道路整備が改善されたことなどが理由かもしれません。

次の特徴はASEAN域内からの原材料・部品の調達はベトナムも、他の域内諸国も同程度であることです。ベトナムのASEAN域内調達率は16.6%と、他の域内諸国でも、おおよそ12%から19%程度で推移しています。その実態はタイやマレーシアに進出する日系企業からの調達が主だったものと想像しています。

実際、まださほど数は多くありませんが、タイやマレーシア進出日系企業のベトナム駐在員事務所や販売目的ベトナム現地法人をよくみかけます。

最後の特徴は原材料・部品の調達先が日本となっています。これはフィリピンの50%に次ぐ、高い数値(42.5%)となっています。

2.ベトナムにおける現地調達率は一旦上昇傾向を見せたが、その後下降低調
ベトナムの現地調達率、AESEAN域内調達率ともアップダウンを繰り返しながら、下降傾向にあります。一方、タイ、マレーシア、シンガポール、インドネシアでは現地調達率が上昇傾向にあります。

上記理由は同調査結果からはよくわかりません。日本依存度がベトナム進出企業の間において、高いことが指摘されています。

3.ベトナムにおいては中小企業の方が、日本調達割合が高い/中小企業の方がASEAN調達率も低い
ベトナムに進出する日系企業の現地調達比率を見ると、大企業ではベトナム国内およびASEAN域内での調達比率が高い傾向にあります。

ここで、大企業と中小企業の情報量や力量の差と見るのは誤りだと思います。むしろ、大企業は製品の最終組み立て工程に位置する立場であり、ベトナム進出日系企業の製品を購入できる立場となります。従い、大企業は現地調達率が高い傾向にあると思われます。

一方、中小企業は最終組み立てメーカーに納入する立場となります。その結果、最終組み立てメーカーが求める品質基準を満たすために、どうしても現地での製造に必要な原材料や部品を日本へ依存せざるを得ない状況にあると思われます。

また、進出する中小日系製造業が何を製造してもいいというわけにはいきません。ベトナムでの事業許可を得るための投資計画書に、何を製造するか事前に申告する必要があるようです。従い、現地に進出した中小製造業はライセンス上の製品しか加工できず、せっかくのビジネスチャンスをフイにする機会も意外と多いと聞きます。

中小加工製造業にとって、「現地調達率が低い=高い現地日系企業需要」なのですが…。

参考までに、最近の大手商社が運営する工業団地では「工業団地内で製造された御社の製品を売ります」といったサービスもしてくれるようです。ベトナムでの現地調達率の低さから、自力開拓の余地もかなりありそうなのですが…。

4.ベトナム国内現地調達の特徴は、その他外資企業が多い
ベトナムでは部品・原材料の現地調達のうち、地場企業(47.7%)、現地進出日系企業(36.1%)、その他外資企業(18.1&)となっています。

特に、その他外資企業からの調達が16.2%とシンガポール(18.1%)に次ぐ高さとなっています。これは、調査対象国・地域平均の6.8%と比較しても、かなりの高さとなります。

この「その他外資企業」の内訳はありません。

あくまでも想像ですが、タイ進出やマレーシア進出日系企業のベトナム法人といった日本企業海外子会社の子会社(いわゆる孫会社)のような気がしてなりません。実際、ベトナム進出日系企業はベトナムが海外投資先として初めてという場合もあれば、タイやマレーシアを経験し、次の進出先としてベトナムへ進出するといったケースもあります。

また、タイやマレーシア地場企業も含まれていると思われます。上記のタイやマレーシア進出日系企業のベトナム進出にあわせて、同資本企業もベトナムへ進出してきたというケースです。

あくまでも、憶測ですが。

5.ベトナムの65.7%が、現地調達率を引き上げると回答
(その調達先はASEAN域内が47.5%)
ベトナムへ進出する65.7%の日系企業が現地調達率を引き上げると回答しています。これは調査国・地域の全体総数平均値の56.5%と比較して、10ポイント以上の数値となります。

他にはインド(83.6%)中国(76.8%)、タイ(66.2%)、インドネシア(58.1%)があります。

またベトナム進出日系企業の47.5%がASEAN域内からも調達率を引き上げると回答しています。

上記傾向から、日本からの調達依存度を下げ、ベトナム国内やASEAN域内での調達率を高めたい意向をベトナム進出日系企業が有していることが想像できます。

一方、気になるのは中国からの調達率を高めたいとする回答が低いことです。「中国からの調達を引き上げる」と回答する企業は在台湾や在シンガポール日系企業では25%台の回答がありますが、在ベトナム日系企業の間ではさほどその意向が強くないようです。

このあたりは、どうしてなのか同調査での説明はありません。

恐らく、ASEAN域内統合が進む過程で、域内貿易の無関税化が進む傾向にあり、その辺を意識しているのだと思います。真相は闇の中…。

6.まとめ
ベトナムでは部品・材料の現地調達が進んでいません。言い換えれば、多くの企業が現地で部品・材料を調達できず苦しんでいると言えます。その傾向は大企業よりも、特に中小企業で多いと思われます。

一方、部品・材料の調達を他国でみると、現地進出日系企業から調達しているケースがよく見られます。この時、地場企業と現地進出日系企業の割合は4:5です。残りは「その他外資企業」です。

上記状況から、部品・材料を製造する中小企業は現地進出日系企業からの需要をかなり見込めるが、自社で製造する部品・材料に相当頭を悩ませる状況が想像できます。

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テーマ : ベトナム    ジャンル : 海外情報


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プロフィール

tnaru

Author:tnaru
30代 男
ベトナム在住。ベンチャー企業で働いてます。
将来はベトナムを中心としたASEAN諸国で何かしたいと思っています。

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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