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ベトナムを中心とするアセアン(ASEAN)諸国に関する情報ページ。あと、時々書評とか。

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Category: 旧Version  Tags: ベトナム日系進出企業の課題  在アジア・オセアニア日系企業活動実態調査  給与  賃金  
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ベトナム賃金:「在アジア・オセアニア日系企業活動実態調査」より

ベトナム進出日系企業の様子を「在アジア・オセアニア日系企業活動実態調査」を元に眺める、シリーズです。

今回で最終回の「賃金」です。

【シリーズ目次】
1.調査の概要と結果
2.営業利益見通し
3.今後の事業展開
4.現地市場開拓への取り組み
5.経営上の問題点
・5-1:ベトナムの課題(全体)
・5―2:販売営業面での問題点
・5-3:財務・金融・為替面での問題点
・5-4:雇用・労働面での問題
・5-5:貿易制度面での問題点
・5-6:生産面での問題点
・5-7:経営の現地化をするにあたっての問題点
6.原材料・部品の調達
7.輸出入の状況
8.賃金

1.ベトナム進出日系企業の基本給・月額相場
ベトナム国内の各項目ごとの調査結果は以下のとおりです。なお、同数値は基本給であり、諸手当が除かれた額となっています。また、ベトナムでは現地通貨と米ドル2種類のいづれかの通貨で回答されており、為替レートにより米国通貨建ての給与額は変動されます。

ベトナムではドル高傾向であり、現地通貨となるベトナムドンの価値は毎年のように下がっています。

(ポジション別ベトナム国内の月額給与額)
製造業・作業員:$107(15位)
製造業・エンジニア:$268(16位)
製造業・マネジャー:$636(15位)
非製造業・スタッフ:$371(12位)
非製造業・マネジャー:$968(16位)
※カッコ内は18カ国・地域中の順位

上記より、ベトナム人の給与額が他国と比較しても低いことが分かります。一方、ベトナムは人件費が安いと考える時代が終わったとの指摘も出始めています。

一方、製造業の調査結果数値が全体的に低めである点が気になるところでえす。例えば、製造業エンジニアの給与額「$268」は現地相場では、新卒者で言葉ができる人材の手取給与額かお思われます。

また、製造業マネジャー職の回答も総額給与と考えるには低い給与額の回答です。恐らく、同月額給与額はマネジャーに始めて昇進した人材の給与額相場であり、全体としてとらえるには、少し乱暴な結論付けのように思います。

製造業従業員の月額給与金額の回答金額が低いのは、製造業の方が非製造業と比較して、多くの諸手当を積んでいることに起因すると思われます。製造業の場合、従業員数がどうしても非製造業と比較し大規模にならざるおえず、月額給与額についてもシビアに検討し、従業員全体の平均値を如何に抑えていくが主眼となる給与体系政策をとっています。

一方、ベトナムの現状として、電車やバスといった通勤インフラや病院・学校といった生活インフラが整っていません。必然、多くのベトナム人は市内勤務を好み、製造業が進出する郊外や隣県の工業団地への勤務を嫌う傾向にあります。

上記のような状態の中でも、人材獲得策として多くの製造業が採用している給与システムが各種手当の積極活用です。例えば、「皆勤手当」、「語学手当」や「学費手当」など。これにより、月額基本給を抑えることが可能となり、また各個人ごとに異なった給与の支払いを実施することが可能になります。

また、月額基本給は所得税の対象となり、従業員のみならず企業側にも負担義務が出てきます。一方、手当の支給は所得税の対象となるものとならないものがあり、企業も従業員も双方にとってメリットがある給与システムのようです。

従い、製造業は基本月額給与額を低めに設定し、諸手当を別途支給することで給与バランスを図っている傾向が強いように思われます。

ところで、非製造業の場合はどうなのかというと、手当の支給という発想はまだ多くありません。恐らく「通勤手当」と「電話手当」程度が多いのではと思われます。これは非製造業の場合、従業員数が1名から10名程度の企業が大半であり、面倒な諸手当計算に神経を使うより、月額給与として一括支給してしまった方が事務処理コストの面から有利との判断があるものと思われます。

従い、上記給与額を参考するにあたり、特に製造業の場合は諸手当分の考慮が必要になるのかと思われます。

2.ベトナム進出日系企業の年間実質負担額相場
同調査では、年間実質負担額についても回答を公表しています。また、参考として、回答数値を12カ月で割った月額実質負担額と、ボーナス1カ月分を含めた13ヶ月分で割った月額実質負担額の数値をつけました。なお、ボーナスについては支給義務はありませんが、ベトナムの慣行として最低1カ月分の支給が一般的となっています。

(ポジション別ベトナム国内の実質負担額)
製造業・作業員:$1,834
製造業・エンジニア:$4,849
製造業・マネジャー:$10,184
非製造業・スタッフ:$5,878
非製造業・マネジャー:$15,158

(参考1:月額実質負担額(12か月計算))
製造業・作業員:$152.83
製造業・エンジニア:$404.08
製造業・マネジャー:$848.67
非製造業・スタッフ:$473.17
非製造業・マネジャー:$1,263.17

(参考2:月額実質負担額(ボーナス1カ月分)
製造業・作業員:$141.08
製造業・エンジニア:$373.00
製造業・マネジャー:$783.38
非製造業・スタッフ:$436.77
非製造業・マネジャー:$1,166.00
※ボーナス支給額が最低1カ月分と想定

上記数値より、全てのポジションで月額基本給よりも実質負担額が上回っていることが読み取れます。これは、製造業と非製造業とで異なる事情があることに起因すると思われます。製造業の場合は、前述したとおり諸手当分の上乗せがでているのではとおもわれます。非製造業の場合は「賞与」です。特に、営業職において、ベトナムではコミッションやインセンティブといった考え方が一般的となり始めています。日本でいう「歩合」に類似するものです。多くの日系企業では「歩合」を給与体系に組み込んでいる企業がすくないため、「賞与」で調整している企業が多く見られます。

3.ベトナム進出日系企業の前年比ベースアップ率(昇給率)と賞与
前年比ベースアップ率と賞与については、以下の数値となっています。

(前年比ベースアップ率平均と賞与)
前年比ベースアップ率平均:14.2%(1位)
賞与・製造業平均:1.6か月(13位)
賞与・非製造業平均:1.7か月(13位)
※カッコ内は18調査対象国・地域全体のうちの順位

ベトナムにおいてベースアップは大きな課題となっています。これは、インフレ率とのバランスも必要となる問題ですが、ベトナムへ進出した日系企業が頭を抱える大きな問題の一つです。

ここで、各日系企業がインフレ率の参考資料としてしるのが、毎月ベトナム政府より公表される7消費者物価指数(CPI:Consumer Price Index)です。現在、ベトナム政府はインフレ率を8%以下に抑えるよう苦慮しています。一方、インフレ率は毎年2ケタが常態化し始めており、2010年も10%が予想されています。

単純に福利計算方式を採用し電卓を叩くと、毎年7%上昇した場合、7年で2倍の数値になります。

現在、その上昇率が14%ということは、恐ろしい数値です。実際、「人件費が5年で2倍になった」などという話も時々耳にします。

また、現在ベトナム政府は所得倍増計画の真っ最中です。5年後には人件費が2倍になっても、それが驚く程ではい事態であるのが、現在のベトナム給与相場の実態かと思われます。

賞与については、旧正月(テト)の前に、最低1カ月分を支給することが一般化しています。同調査によると、製造業は月額基本給の「1.6ヶ月分」で、非製造業は「1.7か月分」となっています。前述したとおり、製造業の月額基本級は非製造業と比較し、低く設定されている傾向にあります。従い、製造業と非製造業のボーナス支給の絶対額は、賞与支給月数の差である「0.01ヶ月分」よりも、大きな開きがあると予想されます。

4.まとめ
給与と賞与は多くの企業が金額の設定に始まり、その体系に頭を悩ませています。特に、製造業は従業員数も多いことから、その悩みは非製造業の比ではないかと予想されます。

製造業では「諸手当」がマジックツールであり、非製ぞ業は「賞与」がそれにあたるようです。

なお、同調査の数値を見る上で、調査のタイムラグという視点を一つ持つ必要があるかと思います。インフレ率は2ケタで平均昇給率が14%の国では、今年の数値が来年にどこまで通用するのか、慎重な見極めが必要かと思います。
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テーマ : ベトナム    ジャンル : 海外情報


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プロフィール

tnaru

Author:tnaru
30代 男
ベトナム在住。ベンチャー企業で働いてます。
将来はベトナムを中心としたASEAN諸国で何かしたいと思っています。

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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