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ベトナムを中心とするアセアン(ASEAN)諸国に関する情報ページ。あと、時々書評とか。

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ところで、ベトナムの外資系企業は儲かっているか?-JBIC,JETRO,VCCI-UASIDの調査結果より

ところで、ベトナムへ進出する外資系企業は儲かっているのか?日々、そんな疑問がわいてきます。「スタッフが辞めてしまった」とか、「モノが納期どおりに届かない(届けられない)」といったことから始まり、「ボッタくられた」といったことまで、大小様々なことが日々ごくごく当たり前に飛び交います。


ベトナムで日本を含む外資系企業は本当に儲けているのか?日々感じる疑問です。

ということで、ベトナムへ進出する日系企業が儲かっているか、調べてみました。資料は以下の3つの調査結果レポートです。

ベトナムに進出する企業の「儲け」についての調査はいくつかあります。そのうち3つで今回は使用しようと尾も追います。


1.ベトナム進出日系企業の「売り上げ」/「収益」満足度がわかる調査:

JBIC(国際協力銀行)が毎年発表する「わが国製造業企業の海外事業展開に関する調査報告」にはベトナムに進出する日系企業の「売り上げ」・「収益」満足度が含まれています。気をつけるべき点は同調査が世界に展開する企業605社(有効回答率63%)の回答からなっており、ことベトナムについて回答した企業数は確認できない点です後述する類似のJETROによる調査企業対象数(3,486社/有効回答率47.6%/在ベトナム日系企業150社)を考慮すると、全体の50社も満たない程度の回答企業数かも知れません。

いずれにしろ、同調査には「売り上げ」満足度と「収益」満足度が含まれています。

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(出所:「わが国製造業企業の海外事業展開に関する調査報告」(p.9)

同調査結果から、「売り上げ」・「収益」ともにベトナムへ進出する日系企業の満足度が伸びていることが伺えます。2009年度実績ではベトナムが「売り上げ」満足度で第3位、「収益」満足度で第1位になっています。

一方、ベトナムへの外資系企業が進出を開始したのが1980年後半といわれており、こと日系企業の進出ブームは1990年代が第1期といわれています。2000年以降が第2期といわれている中、創業間もない企業が多いため、「比較的順調に立ち上がった」ぐらいの解釈になるのかと思います。

また、同調査回答企業数がかなり限られています。現在ベトナムへ進出する日系企業数は商工会登録ベースで約1,000社、実際はその2倍~3倍の3,000社程度かと思われます。どこまで同調査結果が実際の在ベトナム日系企業の「売り上げ」や「収益」満足度を反映しているか、疑問が残ります。


2.ベトナム進出日系企業の「営業利益見通し」がわかる調査:

JETROがアジア・オセアニア地域へ進出する日系企業を対象とした調査に「在アジア・オセアニア日系企業活動実態調査(有効回答企業数;3,486社/うち、ベトナム144社)」があります。同調査にはベトナムへ進出している日系企業のうち何パーセントの企業が「営業利益」で黒字化を見込んでいるかがわかります。(p.6)

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上記、調査結果では、進出する日系企業のうち、大企業・中小企業の規模を含めて、約66%以上の企業で「営業利益」の黒字化を見込んでいることがわかります。

ところで、この65%という数字をどう評価するべきなのでしょうか?

「営業利益」は「本業の儲け」と言われています。ここには製造原価、人件費、事務所諸経費やらが含まれます。当然、駐在員の人件費も含まれてくると思われます。噂では駐在員一人あたりの年間経費が2000万円~3000万円ほどかかるといわれているので、それを含めても「儲かっている」ことになります。

また、「65%」という数字はベトナムへ進出した最低2社に1社は「本業では儲かっている」ことになります。少しうがった見方をすると、ベトナム進出を2回試みれば、1回目か悪くても2回目には本業で儲けを出すことが可能となります。また、「商売はセンミツ」など、1000のうち3成功すればよしと考えれば、非常に高い確率で、本業部分だけなら儲かるとなるのかもしれません。

一方、同数値「営業利益見込み」を他アジア諸国に進出した日系企業と比較すると、低くなります。ベトナムは調査対象国・地域の全18国中で12位です。また、全体平均69.4%よりもベトナムの66.0%は低くなります。香港に進出している企業はほぼ100%で最低でも「トントン」になっています。

「他の国ではどれだけ儲かっているんだ?」と思いながらも、「ベトナムはあまり儲からないのか?」といった不安も少し出てくる数値です。

ここで、少し考慮する必要がある点は、「ところで、最後にいくら儲かったんだ?」という「当期純利益」ではなく、あくまでも「営業利益」である点です。当然、ここから、送金手数料であったり為替手数料だったり、いろんな費用が引かれていきます。最後にどれだけ利益を出ているのかは判別不能です。

また、同調査の回答企業数が144社と非常に限られている点です。ベトナムへ進出していると予想される日系企業総数(約3000社)の約4%、商工会登録ベースの約15%が対象になっているに過ぎません。業巣別、規模別や創業年数別でもかなり誤差が発生してくると思われるため、参考数値程度になるのかと思います。


3.ベトナム進出外資系企業が「いくら儲けているか」のわかる調査:

ベトナム商工会議所とアメリカ国際開発庁(USAID)が実施した「Provincial Competitive Index2010(PCI2010:各県競争力調査)」はおそらく、ベトナム進出外資系企業を対象とした調査で、回答企業数が1,155社と、一番大規模な調査となります。日系企業は回答企業総数の20%弱の約230社程度が含まれているます。日系企業のみを対象とした、上記2つの調査よりも対象企業数が多く含まれていることになります。

ただ、残念なことに日系企業がどのように回答したかの把握はできず、あくまでも外資系企業全体の動向が把握可能といったものになります。また、あくまでも現地法人等でベトナム国内で納税義務が発生する法人形態のみが対象であり、駐在員事務所は含まれていません。

同調査のすごい所は、「いくら儲かっているか?」を数値として公表している点です。

performance.gif


上の同調査は、ベトナムに進出する外資系企業の年間平均売上高は1百万ドル(約1億円)、一人あたりの年間利益が$17,500(約175万円)と見積もっています。一人あたり利益が年間$17,500ということは、一月あたり一人利益が約$1450ということで、妙にリアリティーを感じる数字です。

ベトナム人の平均給与(4年制大卒、言語可)が$500から$700程度かと思われます。一人当たり月額利益が$1450になると、月額給与の2倍から3倍相当にあたります。日本で給与額の3倍稼げる人はスーパースターですが、ベトナムではそれがほぼ平均と考えると、ベトナムでのビジネスは「おいしい」と感じざるえを得ません。

なお、同調査は2つの方法で「利益」を検証しています。一つは調査団独自の集計を実施し、「年間売り上げ」-「年間費用」による算出。もう一つは回答企業からの自主回答です。双方からの数値によるクロス集計なので、比較的リアリティーを感じる数字として写るのかと思います。


4.ベトナムへ進出する日系企業は「儲かる」可能性が高いと思います。


これまでの、3つの調査結果から、ベトナムへ進出している企業は苦戦しながらも、「そこそこ」儲かっているといえるのかと思います。ただ、調査対象企業数がまだまだ圧倒的に少なく、ベトナムへ進出する実勢約3,000社の状況をどこまで反映しているかは疑問が残るところです。

また、ほぼ全ての回答がパーセンテージであり、金額ベースや絶対数値ではない点です。基本的にベトナムでは全ての単価が低くなります。日本と同じ程度の金額ベースの利益を確保しようと思うなら、日本の3倍も4倍も数をこなす必要が出てきます。そのため、日本国内と同じ金額を儲けたいと思ったら…。

その意味では一番興味深いのがベトナム商工会とUSAIDによる調査結果です。利益の金額まで出しています。

ところで、同調査結果の数値をベースに推測すると、ベトナム人がものすごい利益貢献をしていることが見えてきます。ベトナム人は給料の2倍から3倍は稼げて当たり前ということになります。実際は製造業が多いため、工場労働者の給料を勘案すると給料の4倍とか5倍以上の利益貢献をしていることになります。こう考えると、「労働者の質」はメチャメチャ高いということになるのかもしれません。ただ、裏では日本人駐在員がノイローゼになったりする場合もあるようですが…。

参考までに、この「PCI2010(Provincial Competitive Index)」は「ワイロをどのくらい払っているか?」といったテーマで1章分の紙面を割いてレポートまでしています。日本の政府関連機関から発表される調査結果には決してまねできないものです。しかも、インターネット上で無料公開。アメリカという政府の後ろ盾があるからなせることなのかな…。


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テーマ : ベトナム    ジャンル : 海外情報


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プロフィール

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Author:tnaru
30代 男
ベトナム在住。ベンチャー企業で働いてます。
将来はベトナムを中心としたASEAN諸国で何かしたいと思っています。

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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