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tnaru@asean

ベトナムを中心とするアセアン(ASEAN)諸国に関する情報ページ。あと、時々書評とか。

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ベトナムの小売市場

最近、米国系コンサルティング会社ATカーニー(AT Kearny社)による調査「Global Retail Development Index」の結果を引用する記事をベトナム国内の報道でよく目にします。その内容は同調査結果のランキングにおいて、ベトナムの順位が2年連続して下がったことに対する報道です。

今回は同調査結果を踏まえ、ベトナムの小売市場について、自分の考えをまとめてみようと思います。

【2010年Global Retail Development Index(GRDI)の結果】:
「Global Retail Develop Index」によると、2007年から2010年までのベトナムの順位は下記の通りです。

2007年:4位
―1位インド、2位ロシア、3位中国、4位ベトナム
2008年:1位
2009年:6位
―1位インド、2位ロシア、3位中国、4位アラブ首長国連邦、5位サウジアラビア 6位ベトナム
2010年:14位
―1位中国、2位クゥエート、3位インド、4位サウジアラビア、5位ブラジル、6位チリ、7位アラブ首長国連邦、8位ウルグアイ、9位ペルー、10位ロシア、11位チュニジア、13位エジプト、14位ベトナム

【GRDI調査の内容】:
GRDI調査は、185カ国のうち30カ国を「カントリーリスク」、「2百万以上の人口」そして「一人あたりGDP$3000」を基準にまず抽出し、以下4つのカテゴリーの総合評価により、ランキングする方式を採用しています。

カテゴリー①:市場魅力度(25%)
― 一人あたり年間小売業売上高(25%)
※小売売上未開拓地域か否か
―人口規模(20%)
※人口規模が大きいか小さいか
―都市人口(20%)
※農村中心経済か都市中心経済か
―ビジネス効率性(20%)
※政府・政策の効果、法令・規制の障壁、ビジネス実施の容易性、インフラ発達度

カテゴリー②:カントリー&ビジネスリスク(25%)
―カントリーリスク(80%)
※政治リスク、経済動向、借金、銀行へのアクセス性
―ビジネスリスク(20%)
※テロ、犯罪、暴動、破滅の可能性

カテゴリー③:市場飽和度
―近代的小売企業占有率(30%)
※近代的販売・分配機能を持つ形態の店舗展開(1000人に対し200平方メートル規模)。
―国際的小売企業数(30%)
※トップ10、トップ20、トップ30に外資系小売業者が何社あるか
都市人口あたり近代的小売業社
―都市人口あたり近代的小売業エリア(20%)
※どれだけハイパーマーケット、スーパーマーケット、ディスカウントストア、コンビニエンスストアがあるか
―トップ小売企業の市場占有率(20%)
※トップ5企業が市場のどれだけを占めているか

カテゴリー④:時間制約
※GDP成長率に占める小売業の割合

【ベトナムの各カテゴリースコア結果】:
ベトナムの各カテゴリーに対するスコアの内訳は以下の通りです。

総合スコア:50.2
カテゴリ別スコア)
 ・市場魅力度:12.3
 ・カントリー&ビジネスリスク:49.4
 ・市場飽和度;50.2
 ・時間制約:89.1

上記から、ベトナムにおいて「時間制約」がランキングの上位食い込みに大きな要因となり、他の3要素が足を引っ張ったという構図がみて取れます。以下、それぞれの要素について、より詳しく見ていきたく思います。

【各カテゴリーの結果に対するコメント】:
「時間制約」について
この指標の内容をみると、経済成長に対する小売業の寄与度と同義語と扱っていいのかと思います。従い、ベトナムにおいて小売業界が大きく経済成長に寄与したと読み取れます。この背景には、ベトナムの国全体の平均年齢が27歳~28歳であり、年齢増加に伴う可処分所得の増加による消費額の増加という構図があるのかと思います。
なお、参考までに、同レポート内では、ベトナム人は収入の70%を支出に回す国民性であることを指摘し、今後の小売市場は益々拡大することを予想しています。ここ2年で、2010年の778億ドル(約7兆7千8百億円)から2012年には$850億ドル(約8兆5千万円:2012年)へその規模が拡大すると予想しています。

「市場魅力度について」
同調査は「市場魅力度」を小売業年間売上高、人口規模、都市の人口規模、ビジネスの効率性などへ細分化しています。人口規模が約8800万人のベトナムにとって、人口規模や都市人口規模は他国と見劣りしないと言えます。従い、一人当たり小売業年間売上高や規制・法令等の政府の干渉やインフレの遅れなどのビジネスの効率性が他国と比較して大きな障壁となっているといえるのかと思います。もしくは、他国の成長と比較して、これらの点については成長・改善速度が遅いと考えられるのかもしれません。

「市場飽和度について」
市場の飽和状態については、同指標の内訳をみると「外資参入度合い」とほぼ同義語に近いように見えます。ベトナムは2007年にWTO加盟を果たし、以後、順次特定分野ごとに外資にその活動領域を開放しています。小売業の外資開放は2009年です。従い、未だ外資に積極的に市場開放を実施していないと同調査は考えていると読み取ることができるかと思います。なお、2012年には小売のディストリビューションについても外資開放がなされるため、2012年を目途に、この数値が外国資本から見ると改善されていくと思われます。
ところで、外資に開放した翌年からランキングが下がるのも皮肉なものです。

「カントリー&ビジネスについて」
この指標もランキングの低下に大きなインパクトを与えました。同指標の内訳をみると、ベトナムの現状から、カントリーリスク要因の政治的安定性やビジネスリスク余韻の犯罪・テロ・暴動などにはむしろプラスに評価されているのではと推測できます。一方、高いGDP成長率を記録しているものの、同時に高いインフレ率や外貨準備高不足、政府の借金は気になる所です。また、金融の脆弱性も忘れてはならないところだと思います。特にベトナムは現金主義であることや、小規模銀行の乱立など、金融の脆弱性はベトナム経済の萌芽と危うさの象徴のように思えます。これにより、企業は金融機関からの借り入れによる大規模投資を行えず、消費者はクレジットカードの利用等現金以外の購入方法の選択肢拡大が見込めず、賃金上昇が主要因の小売市場規模拡大しか見込めない。

【まとめ】:

ということで、AT Kearny社の「Global Retail Development Index」を通じてベトナムの小売市場を眺めてみました。特に小売業に従事していない私の勝手な推測が多分に含まれていますが、下記が私なりにみたベトナム小売市場の現状です。
・国民の平均年齢による獲得賃金額の上昇と消費行動から、今後も高い小売市場規模の拡大が予想される。
・政府干渉やインフラの未整備、そしてこれらの改善速度の遅れは小売ビジネスにとって解決策を探らなければならない、高い障壁となっている。
・外資参入は途上段階であるが、2012年が小売業界にとって何か変化が起きる潮目の年となりそうである。
・ベトナムの経済・財政政策による国家財政の立て直しに加え、健全な金融機関の育成がなければ、賃金上昇のみが小売市場規模拡大の牽引にならざるを得ない。

【付 録】:
なお、同調査において、合わせて外資系小売業にとっての機会分析を4段階(「Opening」、「Peaking」、「Maturing」、「Closing」)に区分して提示しています。ベトナムは2006年が「Peaking」のほぼ絶頂直前とし、2010年は「Peaking」の終盤としています。これは以下のことを意味しているとのことです。
・大都市圏においてより洗練された販売方法や外国ブランドを提示するだけでモノが売れた時代が過ぎ去ろうとしている。
・展開する都市は大都市圏だけでなく、番目や3番目の都市で展開する必要がある。

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テーマ : ベトナム    ジャンル : 海外情報


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プロフィール

tnaru

Author:tnaru
30代 男
ベトナム在住。ベンチャー企業で働いてます。
将来はベトナムを中心としたASEAN諸国で何かしたいと思っています。

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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