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ベトナムを中心とするアセアン(ASEAN)諸国に関する情報ページ。あと、時々書評とか。

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Category: 旧Version  Tags: ベトナム  ベトナム進出日系企業  今後の事業展開  在アジア・オセアニア日系企業活動実態調査  ベトナム日系進出企業の課題  
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ベトナム進出日系企業の様子:「在アジア・オセアニア日系企業活動実態調査」より④

ベトナム進出日系企業の様子を「在アジア・オセアニア日系企業活動実態調査」を元に眺める、シリーズ第4段です。

今回は「現地市場開拓への取り組み」を中心に眺めてみたく思います。

【シリーズ目次】
1.調査の概要と結果
2.営業利益見通し
3.今後の事業展開
4.現地市場開拓への取り組み
5.経営上の問題点
6.原材料・部品の調達
7.輸出入の状況
8.賃金

1.ベトナム進出日系企業は35.7%が現地市場開拓を(輸出よりも)優先すると回答
ベトナムに進出する日系企業のうち、35.7%が現地市場開拓を(輸出よりも)優先すると回答しています。同調査対象国・地域18か国中で、10番目の数字となります。

一方、同調査で「輸出を優先する」もしくは「現地市場に関心なし」の回答率は35.0%となります。ちょうど、上記の「現地を優先する」といった回答とほぼ同率の回答となっています。

従い、「現地市場を開拓する」と「輸出を優先する」といった2大方針がほぼ同率で存在しています。これは他の調査対象国・地域の回答率の比率からすると、非常に特殊な状況となるかと思います。

ところで、同調査には「輸出と現地を同じ優先度で取り組む」といった回答があります。今回の調査国・地域において、ほぼ全ての国の進出日系企業の回答率で2位を占めています。「この意味って何だろう?」と非常に不思議に思います。

限られた資本をどこに振り向けるか、その優先順位をつけることが経営かと思います。しかし、「地場市場開拓も輸出も同じ程度」では経営をしていないのと同じではないかと勘ぐりたくなります。この辺が「進出日系企業の社長はサラリーマン」と揶揄されてしまう一因なのかもしれません。結局、優先順位をつけられず、限られた情報源で判断する本社の意向次第が進出日系企業の本音なのかもしれません。

この点、ベトナムに進出する日系企業は優先順位付けについて明確化している傾向にあります。上記「どちらも同じ程度に優先」の回答率は21.7%であり、その数値の低さでは4位となります。なお、オーストラリア(12.7%)、インド(14.1%)、フィリピン(20.0%)に次ぐ第4位の低さです。

今回調査のベトナム国内全回答企業数のうち、進出5年未満の日系企業で約40%を占めていることもその一因かもしれません。もしくは、というより願わくば、ベトナム進出日系企業の現地責任者は「経営者」気質の方が多く来ているのかもしれません。

2.ベトナム進出日系企業は現地日系企業向けを現在のターゲットしているが、将来は地場及び地場外資向けへ注力する予定。
企業向け販売を現在おこなうベトナム進出日系企業は、現在62.7%が現地に進出する日系企業を主要ターゲットとしています。この数値はASEAN各国平均回答率を6.6ポイント上回る数値となり、同域内においてタイ(62.8%)に次ぐ第2位となります。

これは、ベトナムへ進出した企業が比較的まだ新しいことから、まず足場固めとして日系企業間での取引に注力しているのかと想像できます。

一方、将来的に日系企業以外と取引を活発化させたいとする意向はASEAN域内各企業と同様です。同域内の「日系以外の取引」の平均回答率が44.1%であるなか、在ベトナム日系企業平均回答率は46.4%となり、現在のASEAN諸国平均値との差も6.6ポイント差から2.5ポイント差に縮まります。また、現在と将来の回答率の変化が16.3ポイントあり、同数値はASEAN域内でトップの数値となります。

今後、多くの企業が日系以外の取引先開拓を進めていくことが予想されます。実際、ベトナムでの日系企業の採用動向を見てみると、地場企業向け新規開拓営業職の募集が目立つようになっているように見えます。

ところで、現在は在ベトナム日系企業を主要ターゲットとしている進出日系企業がどこを将来の主要ターゲットとして考えているかを見ると、興味深い傾向が見えてきます。主要ターゲット別現在と将来の「地場企業」と回答した率の差を見ると、8ポイントとなります。同様に地場外資企業の回答率数値の変化をみると、同じく8ポイントの変化となります。日系企業に対する現在と将来の差が約16ポイントであることから、地場企業と地場外資企業へ半分ずつが流れていくことになります。

従い、今後の在ベトナム日系企業の動向として、対日系企業を主な顧客として事業を展開してきた在ベトナム日系企業は半数が地場企業向けにアクションを取り、残りの半数が地場外資企業へアクションを取って行くことが予想されます。

3.ベトナム進出日系企業は「ニューリッチ・中間層」が中心。裕福層へのシフトが始まる予定です。

消費者向け販売を実施する在ベトナム日系企業は現在、ニューリッチ・中間層と呼ばれる層を中心に事業展開を実施しているようです。その数値は約半数の53.7%に上ります。また、この数値は将来においてもさほど変わらず、在ベトナム日系企業の51.1%は引き続き中間層・ニューリッチ層を主要ターゲットとしていくと回答しています。

ところで、主要ターゲットとする回答率の現在と将来の変化で、唯一増加している回答が「裕福層」です。同回答率の上昇分は約4ポイントとなり、中間層・ニューリッチ層の減少分と低所得者層の減少分全てが裕福層の上昇分へ向かっています。

現在、ベトナムの裕福層増加率はアジアにおいて、中国とインドに次ぐ第3番目の増加率であると指摘する調査もあります。従い、消費者向け販売を実施する在ベトナム日系企業は、既存主要ターゲットをメインとしながらも急増する裕福層を狙に行くことが予想されます。

4.ベトナム進出日系製造業は「価格競合」と「物流インフラ」、非製造業は「価格競合」と「社内人材の不足/採用難」が現地市場向け活動の課題
現地市場向けに事業を展開する日系製造業は「価格競合」(71.4%)と「物流インフラ」(31.0%)を現在事業の問題点・課題と指摘しています。
最近ベトナムでは安価な中国製の流入が頻繁に話題になります。その品質においてもべトナム製よりも良い場合が多いようです。また、韓国製や台湾製においても、今は高品質として世界で受け入れられる傾向にあるなか、日系企業は価格勝負となり苦戦するケースが増えてきているようです。

また、物流インフラについては、現地市場向けの問題点の否かに問わずベトナムに進出する日系企業が課題としてあげる上位5つのうちの一つとして、どの調査結果にも指摘される部分です。インフラの未整備による運搬途中の製品の破損や、渋滞等により配達時間の遅延、港などの未整備など、多くの点で日系企業の事業活動の障壁となっています。

非製造業においては「価格競争」(63.6%)と「社内人材の不足」(36.4%)が大きな課題となっています。特に社内人材の不足はベトナムの弱点として「中間管理職層の絶対的不足」がその背景にあるように思われます。国内平均年齢が28歳程度ということからも、中間管理職人材はどうしても経験不足であることは否めません。また、日本語の語学学習者が増え始めたのは2000年頃からと言われています。従い、どうしても、他のASEAN諸国と比較しても、この点は劣ってしまう部分かと思われます。

5.ベトナム進出日系企業の競合相手国は「ベトナム企業」、「中国企業」、「台湾企業」と「韓国企業」
ベトナムにおける競合相手国のランキングは以下の通りのようです。
【競合相手国ランキング】
1位:ベトナム企業 (32.3%)
2位:中国企業 (24.6%)
3位:台湾企業 (10.8%)
3位:韓国企業 (10.8%)

今回の調査対象国・地域の競合先として必ず地場企業がランキング入りしますが、ベトナムも同様のようです。そして、各国で中国と韓国企業は競合相手国としてランクインしており、ベトナムでも同様のランキング結果となっています。

特に、韓国は官民を挙げてベトナムでの市場への売込を現在積極的に行っています。同調査結果に特に明記されていませんが、ベトナム市場への商品の販売や伝統的なODAの実施だけでなく、ドラマや歌謡曲・アイドルといったものまで政府が中心となり売り込みをかけています。

これまで「韓国=暴力的」といったイメージがベトナム国内にはあったようです。しかし、最近の若者向けドラマや歌謡曲の積極的なTV放映、そしてSumSungに代表される携帯電話の一般消費者向け商品の販売などが相乗効果を生み、ベトナム国内での韓国のイメージが向上しています。

6.まとめ
ベトナムに進出する日系企業はベトナム市場を優先する企業と、輸出向けを優先する企業とが約50%ずつに分かれます。

これは、進出後間もない企業が多いため、進出当初目的どおりの行動を現在も進めていると推測できます。

また、ベトナム国内を優先する企業のうち、現在は対日系企業を中心に活動する企業が全体の約50%にあたります。今後の展開として、かなり急激なスピードで地場企業や地場外資系企業へターゲットを拡大した事業展開を実施する企業が増えてくると予想されます。

一般消費者向けについてはベトナム進出日系企業の約50%が「中間層・ニューリッチ層」を中心とした事業展開を現在実施しています。今後の展開として、急増する裕福層へ少しずつではありますが、ターゲットの変更・拡大を狙った日系企業の活動が活発化してくることが予想されます。

しかし、今後も事業展開を実施していく上で、製造業は「価格競争」と「インフラの未整備」という課題に直面しています。また、非製造業については、「価格競争」と「人材確保」が重要なテーマとして認識されています。
最後にベトナム国内で事業を展開するにあたり、最大の競合相手国はベトナムです。

最後に、ベトナム国内で事業を実施するにあたり、ベトナム企業が最大のライバルとなっています。さらに、最近勢いを世界で強める、中国、台湾や韓国企業は積極的な展開を実施しています。韓国においては官民挙げての攻勢とイメージアップ戦略を展開しています。

ベトナムに進出する日系企業は比較的に操業5年未満の企業が多く、進出当時の目標設定で現在も活動を進めています。一方で、課題も山積みのようです。

次回はベトナムに進出する日系企業が抱える「経営上の問題点」を眺めていこうと思います。
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テーマ : ベトナム    ジャンル : 海外情報


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プロフィール

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Author:tnaru
30代 男
ベトナム在住。ベンチャー企業で働いてます。
将来はベトナムを中心としたASEAN諸国で何かしたいと思っています。

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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